●心療内科とは? 「心療内科」という言葉が出来た頃、対象となる疾患は 心身症が主でした。心身症とは、表面的には身体の疾患 (器質的あるいは機能的障害)でありながら心理的・社 会的な要素が大きく関わっている病気(胃潰瘍、喘息、 過敏性大腸症候群などたくさんあります)のことです。 しかし現在では、心療内科の扱う疾患は幅広くなり、神 経症やうつといった本来精神科領域であった疾患も対象 とするようになりつつあります。すなわち、身体だけで なく、精神(心理)・環境・社会をも含めて、総合的に 診る科目と言えるでしょう。下図のように、精神科と内 科の間の領域というふうにおおざっぱに考えて頂いても 構いません。 ●どんな治療法がありますか? 当院ではまず医師がお話を伺って症状や患者様の置かれ ている社会的環境を把握したうえで適切な治療法を判断 させていただきます。 治療法はもちろんケースバイケースで異なります。スト レスが原因なら、その負担を軽減するために、考え方を 変えてみたり、環境を変えてみたりするようなアドバイ スをさせて頂くことがあります。また、周囲の反応に敏 感になりすぎていたり、抑うつ気分が強いようなら、不 安に対する心身の反応を軽減したり、意欲や気分を改善 するためのお薬を使うこともあります。症状や御希望に より、適当と思われる方はカウンセリングを受けて頂く こともあります(ただしカウンセラーにカウンセリング を受けた場合は保険は使えません)。 ●カウンセリングとはどのようなものですか? カウンセラーによるカウンセリングは、患者様に感情や 気持ちを語っていただくことが主になります。医師の診 察では、ゆっくりお話を伺うのは勿論ですが治療として は医師が主導する形(いろいろな説明をしたり、お薬を 出したりと積極的に働きかける)になってしまいがちで す。カウンセリングでは患者様の「治療」をするのでは なく、あくまでも患者様の感情や気持ちを整理してこれ からの方向性を見いだす「手助け」をするものとお考え 下さい。 当院のカウンセリングは完全予約制で、1回1時間を充 てています。カウンセラーは非常勤ですので、まずは医 師に御相談下さい。 ●薬にはどんな種類がありますか? 代表的な種類のみを挙げますと、 ・抗不安薬(不安や緊張を軽減する) ・睡眠薬 ・抗精神病薬(強い不眠や幻覚妄想状態に) ・抗うつ薬(抑うつ気分の改善) ・気分安定薬(感情の起伏が激しいとき) などがあります。 ※なお、この「〜薬」というのはあくまでおおざっぱな 分類であって、たとえばうつ病には抗うつ剤以外にも抗 不安薬や睡眠薬、気分安定薬などを併用することは珍し くありません。 ●薬を飲み続けても大丈夫でしょうか? 一番よく受ける質問ですが、薬を飲み続ける期間は疾患 や状況によって異なり、一概には言えません。同じ疾患 でも、短期間(それでも2週間〜1ヶ月程度かかるのが 普通です)の服用で回復する方もいれば、長期間の服用 が必要な方もいます。要は焦らずじっくり治療すること です。 時々、「もう治った」と思ったり、副作用が強いと思っ たりして自己判断で薬を減量または中止してしまい、症 状が再発したり悪化したりする場合があります。心療内 科の薬は症状が軽減してからもある程度の期間服用しな ければならないものも多く、またもし副作用が出ても、 より軽い薬に変える等の対応は出来ますので、薬の減量 や中止はまず御相談頂いた上で行って頂けますようお願 いします。 ●本人が受診したがらないのですが家族が相談に行って もいいでしょうか? 患者様本人がどうしても受診したがらない場合は御家族 が相談に来られることもよくあります。お薬を出すこと は出来ませんが、患者様への接し方や、受診した方がい いかどうかなどのある程度のアドバイスをさせていただ くことは可能です(ただし、本人を診察していないわけ ですから、必ずしも的確ではないかもしれません)。 |
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